コメント武士

禁じられた遊びのコメント武士のレビュー・感想・評価

禁じられた遊び(1952年製作の映画)
3.0
イマイチ盛り上がりに欠けた。
いや、もしかしたら俺がフランス映画の見方をわかっていないだけかもしれないが。
ナルシソ・イエペスのギターはどこか哀しくて好き。

追記(2023.7.27)
図らずも「脱構築の実践」を行っている点で興味深い。
脱構築とは二項対立を疑い、それを成立させている基盤を解体させる行為をいう。例えば、男性/女性という二項対立があり、その根底に男性優位という発想がある場合には、女性の方が学術的成果をあげた事例をあげる等することでその二項対立は崩れて、男女平等への道が開ける。

〈以下ネタバレあり〉
この映画では、序盤で加害者としての大人/被害者としての子どもという二項対立を示しつつ、その後でポーレットが墓石を集めたり動物を殺したりする描写を示すことでこの二項対立に揺さぶりを加えつつ、翻って最後に戦争孤児になったブリジットを描くことで当初の二項対立を維持するという描き方をしている。
この二項対立のせめぎ合いを見るのが一つの見方かもしれない。

とは言え、脱構築を提唱したジャック・デリダよりこの映画の監督のルネ・クレマンの方が20歳近く年長であるので、クレマンが影響を受けたことはなかろう。むしろ、デリダが『禁じられた遊び』を鑑賞していて、そこから影響を受けた可能性もないことはない。(すべて私の推測で証拠はないことに留意して欲しい)
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