禁じられた遊びの作品情報・感想・評価

「禁じられた遊び」に投稿された感想・評価

ギターのメロディーが耳に残りますね。
最後のシーンが印象的でした。
映画は初めて観たけれど、「愛のロマンス」のギター独奏は知っている。和音を構成する音を一音ずつ低いものから(または、高いものから)順番に弾いていくアルペジオ奏法はともかくとして、人差し指を伸ばして複数の弦を押さえるセーハが必要な「F」コードが難関で、ギター初心者をふるいにかける曲。美しくも悲し気な曲だけれど、子どもが主役の物語だったとは知らなかった。

第2次世界大戦中のフランスが舞台で、ドイツ軍によるパリ侵攻から逃れる途中、爆撃により両親と愛犬を亡くした5歳の少女ポーレットと、ひとりさまよう彼女を家に連れて帰った11歳の農民の少年ミシェルが主人公。

両親の死は良くわからず、愛犬の死に戸惑うポーレットを慰めようとしてか、ミシェルは死んだものは土に埋め、お墓を作ることを教えたことをきっかけに、2人でお墓を作って十字架を供える遊びに夢中になる。それはエスカレートしていき2人は教会や霊柩車からも十字架を持ち出してしまう。

「不朽の名作」と言われる作品だけれど、鑑賞時のコンディション不十分で消化不良気味という言い訳はさておき、「理不尽」や「無常」を純粋に描くため子どもの目線で描いたのかしら。

今あるものは次の瞬間あるとは限らないという現実。両親や愛犬の喪失は、5歳の子供にとってその原因が戦争であろうとなかろうと関係がないのだから、戦争はこのことのリアリティを持たせる舞台装置に過ぎないのだろうと思う。

ポーレットはミシェルの家で暮らすうちに死を理解する。ミシェルは信仰を良く理解しているから、ある日突然やって来る理不尽な喪失と、それを埋めるための安らぎの空間づくりのための「禁じられた遊び」に2人そろって夢中になる。

しかし、神の代理人や大人たちの裏切りにあい、純粋なミシェルは十字架なんて意味ないじゃないか、全部嘘っぱちじゃないか、と傷つき、憤慨する。そして、喪失の意味がわからなかったポーレットは、今やそれをしっかり把握していることが表現され終了する。

こうして考えると、結構、救いのない物語。なんか、もう1回観て確認したくなってきたので点数はなしで。
予算不足でオーケストラをつけれず、ギター一本での演奏になったとのことだったが、むしろ良かった。今の映画は何かとBGMを付けるけれど、あれくらいでいいんじゃないかな。BGMが無い時の自然音がまたとても良かった。

あと、随所随所で共感するシーンがあれども、総括してこの映画がなんだったのかはわからない。「反戦映画」と位置付けられていて、その側面も持っているのかもしれないけれども、それはこの映画のほんの一部分だけのような気がする。もっと大きな人間そのものを示すような作品だった気がする。戦争だから、ポーレットのあの無垢さが作られたのではなくて、あれは子供特有の無垢さだったと思うし、現代の子供とて死をあの年齢では理解できないし、子供の頃に蟻を踏みつけて遊んだような感覚と一緒なんだと思う。戦争だから生き死にの感覚が鈍ったわけではないと思う。もちろん、大人たちの死に対する感覚の鈍りも気になったけれど、それが反戦を示していたかと言うとそうでもない気がした。「白いリボン」でもそうであったように、あの時代の死生観の感覚はもっと希薄だと思う。そして何よりラストが素晴らしかったです。多分ポーレットに明るい未来はないんだけれども、あの雑踏の中に消えていくシーンは、あらゆる時代の人々が大きなそれに飲み込まれていく様のようで、象徴的だった。
dita

ditaの感想・評価

3.5
@シネ・ヌーヴォ   

今更ながら初見。反戦映画というより人間の残酷さについての映画だと思った。子供が主役だからって純真なだけじゃない、ちゃんと狡くてちゃんと大人だった。お墓がどんどん完成されていく様は死の美しさに引き寄せられる怖さを表していたのかなと。

生死を分かつものを肌のぬくもりで表すのはよいなぁと思った。前も何かで書いたけど、冷たい肌の感触って自分が思うよりずっと心に残って死を実感する。

少女が自分の苗字を涙を浮かべて答えるシーンは胸が詰まる。彼女にとってあの一家と自分を繋ぐ唯一のものだと思ったんだろう。でも苗字なんてただの記号だと知る大人たちは彼女の必死の訴えを聞かない。雑踏にまぎれた彼女のこれからが苗字だけじゃない人と人との繋がりに溢れていますように。
夜鷹

夜鷹の感想・評価

4.6
反戦映画と言われてるけど、僕はどちらかというと人間の愚かさや世界の不条理さを描き、善悪や人間の本質を問いかける映画だと思った。
自分の美徳と世間の善悪とで揺れるミシェルに胸を締め付けられる、そしてその道が正しかったのか間違っていたのかそれは誰にもわからない...
やるせない...
かつ

かつの感想・評価

3.6
戦争映画を白黒で観るの味あるわぁ〜
この作品の主になる両親と犬を傍で亡くしたポーレットの気持ちから埋葬してあげたいという行為には賞賛する。

ただ、ミシェルのポーレットに喜んで欲しいがために禁じられた遊びへ手を出してしまうのは同情できなかったし、これはしてはいけない!!

ラストシーンは孤独感と寂しさが強くて悲しいな、、
MiYA

MiYAの感想・評価

2.5
戦争で全てを失った少女の心に寄り添おうとした健気な男の子と、子どもの最善の利益を考えない大人たち。その残酷な対称性が印象に残る映画。名作たる所以は理解できます。

ただ自分がこの映画を見て思い出したのは、京極夏彦の某小説に登場した「死」という概念を知らない男というやつ。「死」を理解できない少女のために、少年は十字架を盗んでは動物の墓を立てる。本作は、ちょっと構成を変えれば、「不可解な動機による犯罪」を描いた立派なミステリーになったのでは、と思います。まぁこれは間違った映画の見方だとは思いますが(笑)
フランス映画ってよく家同士が喧嘩してるイメージ。
1940年ってこんなかぁというところ。戦時下でも生活はある。
ポレットは激かわいいけど無垢故に優しいミシェルを振り回す。世界にたった二人だけだったら幸せだったのに、現実はそうはいかない。愛してるよりも大好きのほうが似合う幼いふたりは引き裂かれて終わる。かなしい。ポレット、宮崎駿が好きそう。
『禁じられた遊び』ってタイトルからか、勝手に子供同士がよくわかってないままに系でえろいのかな・・・と妄想していたが、そうではない子供映画の傑作でした。ごめんなさい。
三四郎

三四郎の感想・評価

1.0
名作を選べば必ずこの作品が上位にくる。しかし私はこの作品を高く評価することができない。
犬を一匹で埋めるのはかわいそうだということから、他の虫や生き物を殺してたくさんのお墓をつくり、十字架を墓地から盗んでくる…。最初の発想は子供心の優しさ、純真無垢な心からきているが、その後の発想はなんとも残酷だ。男の子は女の子を喜ばそうとしてあげるのだが…とんでもないことをしている。
空襲の中、少女は犬を追いかけて行き、そして母も父もその後を追いかけ機銃掃射で亡くなった。私は子供の頃に観て「なぜこの危険の中、親の元を離れるんだ?」と思った。「犬なんて放っておけばよかった。両親は自分の為に、自分のせいで亡くなったと一生後悔するだろうこの子は…」と感じた。この少女がこれまで背負ってきた罪とこれから背負っていかねばならぬ罪(後悔)を考えると、これから生きていくほうが重く辛いだろうと…。
Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

3.6
フレーミングや編集は若干馬鹿正直な感じはして、カット割りのテンポもサクサクしている。人物の顔に常にハエが止まっているような自然豊かな田舎が舞台なので、もうちょっと長回しにしても叙情的になったのではとは思う。金獅子ってほどかなあという感じはある。
ルネ・クレマンはそんなに作家性のある人ではないのかな。本作の脚本の一人ピエール・ボストはトリュフォーに「作家の映画」と相容れないとして批判されていたらしいが、まあ納得感はある。
動物たちのお墓は哀しい美しさを放っていて、それが壊される別れのシーンを痛切にする。
主役の子供二人、特にポーレットの魅力はしっかり記録されている 。
ポーレットの家族へのキスに嫉妬するミシェルが可愛らしい。
最後まであくまで自分の苗字をドレだと言い張るポーレットがいじらしい。
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