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マウス・ハントのmarimoのレビュー・感想・評価

マウス・ハント(1997年製作の映画)
5.0
この面白さ、伝わってくれ!
あれです浦安鉄筋家族ノリの破茶滅茶コメディです
もう最高に楽しいです

残念ながら、この作品サブスク見放題ではどこも扱っていないようなので
Amazonで動画を500円(安い)で購入です
(blu-rayも無いのでHD画質で観るのは配信購入一択の状況)

賢いネズミちゃんと、マリオとルイージにそっくりな兄弟がひたすら館でケンカする映画です
あまりに苦戦するので、プロの駆除業者も参戦したりします
構造的にはホームアローンにかなり近い作品(クリスマスものですしね)

登場人物それぞれの顔芸的なコメディ感も大好きで
弟役のリー・エヴァンスがネズミを倒すためにハンマーを手に取った瞬間の顔(最高ですよ)

と、まあそれでも星5は付けないだろってお題の映画なわけですが
はい、思い出補正ですよ
中学生の頃に映画って楽しいなと思い始めて色々な作品を貪ってた時に出会ってしまった作品
当時の自分にはめちゃくちゃぶっ刺さった結果、生涯ベスト級作品の一つとして刻み込まれてしまったのです

で、あらためて25年ぶりに鑑賞したわけですが…そりゃ面白いですよ
やはりこの90年代後期のCGと実写特撮のハイブリッド感がすごく心地良いです

今、ネズミが主役の作品を作るとしたら間違いなくフルCGで描かれますが
この作品、多分リアルな実写のネズミを相当な割合で使ってます
(今作ラストの100%CGのネズミちゃんのクオリティから察するに)

合成の際にはネズミの動きに合わせて人間の動きを決めてたりするんじゃないかな

ネズミ目線の壁の裏側の世界が、どこか今どハマりしてる「ピクミン」の世界観にも似ていてワクワクが止まりません
ネズミちゃんのお部屋とかマジで可愛いのよ
この人間の目には触れない世界がCGに頼ってない感じでハンドメイド雰囲気で本作の魅力の一つになっていると思います

冒頭の製糸工場のシーンからも分かるように、ピタゴラ装置的な仕組みの描き方が大変上手く
この装置のこことここがこう繋がっていて、こうなるとこうなっちゃうんだろうなっていうカラクリ構造が視覚的にサクサク入ってくるので
機械仕掛けが発動した瞬間から結果までの流れが最高に気持ち良いです、鑑賞時の爽快感が抜群です

個人的に、ネズミ駆除業者とのバトルが悪ノリ全開で完全に浦安鉄筋家族の笑いで大好物

ネズミちゃんと食材だったり、食事の中にゴキブリが入っていたりと
ネズミや虫が苦手な人には、コメディと分かってても受け入れられないシーンも多いので
そこら辺は鑑賞時の注意喚起が必要かも

お父様の葬式のシーンからブラックコメディ全開ですが
ギリギリ笑っても良さそうなラインに留めておいてくれるので自身のモラル感に疑いを持たずに楽しめるのも本作の良いところ

最後のオチ的なハッピーエンドも
衛生管理が徹底されているが故に犠牲になってしまう虫やネズミたちへの愛?に溢れてるのかな(考えすぎ)

痛みが伴う笑いに拒否反応が無い方であれば全力で楽しめる作品です

現在では難しい
CGが使用され始めた狭間の時代だからこそ産まれた作品

どれだけ落ち込んでても思わず笑ってしまう言語の壁のないコメディ作品

サブスク配信でより多くの人に届いてほしい
(どこかで見放題してくれ!!)
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