とかげ

暗い日曜日のとかげのレビュー・感想・評価

暗い日曜日(1999年製作の映画)
4.1
ユダヤ人1000人を救ったヴィーク氏の人物造形が深みとリアリティを持って描かれていて、人間のいやらしさを浮き彫りにし、この映画で描かれる愛の都合悪さによる軽みを、ぐっと濁らせることに成功して、奥行きに蠢きがある映画になっている。
臭みや苦味や、どろっとした手触りに加えて、最後にスパイスが加えられ、人間の悲しみを思った。

口元と台詞があって居ないように感じられる場面が多々あり、それは残念でした。
それもあり音響が残念な映画だと思って見ていましたが、最後エンドロール時の、曲が終了した後の音が、それでも続く人生を示しているようで、口元とのズレの不快感を全て払拭するほど、耳に残りました。