座敷豚

2001年宇宙の旅の座敷豚のレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
5.0
まさか2001年宇宙の旅を映画館で観られる日が来るなんて思わなかった

先月のことだが少し映画の内容ではないことを綴る
俺は神奈川出身だが、ここ数年は毎年住む場所を変えている
先月は岡山に住んでいて神奈川の川崎に戻ったのは2年半ぶり
関東はコロナの感染者が多く近付くことに対し少しビビリがはいっていたがパスポートの更新がギリギリになってしまったので仕方なく帰ることにした

前日に決めて1泊2日の忙しいスケジュール
しかし、どうせ帰るなら美術館に行きたいということで恵比寿の写真美術館に行くことを決めていた

だが予定が変わった
たまたまチネチッタ100周年記念で「2001年宇宙の旅」のLIVEZOUND上映がやっていたことを知ったから

川崎には駅からわりと近い距離に3つの映画館がある
3つとも素晴らしいが個人的にはチネチッタがおすすめだ
神奈川、東京に住んでいるなら是非1度チネチッタの音響を体験してほしい
特にLIVEZOUNDは本当に凄くてIMAXの音がスカスカに感じるほどだ

川崎に住み始めた頃「マッドマックス怒りのデスロード」のモノクロバージョンを観た
それが最初のLIVEZOUND鑑賞だった
怒りのデスロードは主人公マックスの語りから始まる
その最初の低音ボイスの音圧が俺の腹に当たった
はじめての感触、あまりの音圧に笑った

友人達にもチネチッタで映画を鑑賞することをすすめていたが「LIVEZOUNDは映画じゃない、アトラクションだ」
それが俺の口癖だった

※行ったことないが東京、立川にある映画館の音も凄いらしい

そんなわけで最高の環境で観る、2001年宇宙の旅、興奮しないわけがない
パスポートの更新で帰ってきたのではなく、人生が俺をこの場所に導いたのだ
本気でそう思った

本当に最高だった
例えるならでかい教科書で勉強をしているような気分で画面に引き込まれるような感覚がある
圧倒的世界観
キューブリックは天才だ
リアルな世界、素晴らしい構図、ストーリー、音楽
完璧といって良いかもしれない
古さを全く感じさせずリメイクなんかできないくらいに完成されている

まるで初めて観たかのように2時間ずっと圧倒された

ただ、呼吸音が長く続くシーンは自分の呼吸のリズムがよくわからなくなり苦しくなった
まじで怖かった笑

映画館で観て初めて気付いたのだが、この映画はエンドロールが流れ終わっても音楽が止まらない
音楽だけが鳴る真っ暗な画面を観ながらたくさんのことを考えた
そして、このような機会を与えてくれた人生に感謝した

音楽が止み場内が明るくなると現実に戻った
映画が始まる前と終わった後の自分はもう同じではない

極上の時間、最高の体験だった
座敷豚

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