ぱぱぬい

式日-SHIKI-JITSU-のぱぱぬいのレビュー・感想・評価

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)
4.7
それぞれが違う方向に現実と向き合うことを拒否している様に個人的な思い当たりがあり過ぎてとても刺さった。過激な共依存と倦怠(こう安易な言葉でまとめて良いかも悩む)段々乖離していく互いの感覚があまりにも生々しい。

エヴァのテレビシリーズから旧劇、ラブ&ポップにシンと足りない言葉とコミュニケーションについて描き続け、人に依存することは悪いことじゃないし誰かとなら立ち向かえるものもあると
庵野秀明が思えたのはこの頃あたりじゃなかろうか。怖いときに掴まる場所があると安心する。本当その通りなんだよね。

劇中では何度も現実と虚構という言葉が繰り返されるけど、この頃逃げ込んだ虚構を自分で受け入れてあげることができたから、シンゴジラのキャッチコピーで「現実 対 虚構」を掲げ、虚構を武器に現実と戦うことが出来たんだと思う。

この頃の思いや気付きが今公開されている
シンウルトラマンにもしっかり受け継がれていた。

この映画はいわゆる「庵野が落ち込んでる時に撮った変な映画」「メンヘラ映画」的なレッテルをもって不当に評価を下げられてるきらいがある。
でもある意味それは正当な評価であるとも言えて、誤解を恐れず言うならこの映画に深く共感を持つという「問題」を抱える人にこそ刺さるし、必要な映画であると思う。
ぱぱぬい

ぱぱぬい