ヤスマサ

消されたヘッドラインのヤスマサのレビュー・感想・評価

消されたヘッドライン(2009年製作の映画)
4.3
新聞記者が、政治家のスキャンダルの裏にある陰謀を追う社会派サスペンス。
ドラッグ中毒の黒人少年が射殺された事件を追うメディアコープ社・ワシントン・グローブ紙の新聞記者カル・マカフリー(ラッセル・クロウ)は、大学時代のルームメイトで下院議員のスティーヴン・コリンズ(ベン・アフレック)と不倫関係にあったソニアの死亡との繋がりを見つけると、やがて思わぬ真相へと近づいていく。

かなり面白いと思う。
細かな伏線が多く、無駄や隙がないように感じるし、ミスリードにハマりやすく、見返しても楽しめる作品。
GREAT BIG SEA の♪The Night Pat Murphy Died ♪を流し、スナックを袋から直接口に放りながら、取材現場に向かう車サーブの中はシートは破れ、散らかし放題…、家でのディナーは即席のマッシュポテト…、カルは昔気質の新聞記者で、仕事以外には無頓着な男だ。
メリハリを効かせたキャラクター設定や、ストーリーのテンポも良くて観やすい。
豪華キャスティングだけでも見応え充分だが、陰謀を追うほどに、その大きさと背景に息を呑む展開と、やるべきことをやる骨太なストーリーに、最後の最後まで楽しめる。
コープグループ傘下となったワシントン・グローブ紙としては、やっぱりカルをクビにするのかなァ…。
答え合わせのように、伏線やミスリードを誘うシーンを確認しながら見返しても充分楽しめる。

イギリスのテレビドラマを劇場版としてリメイクとのこと。
原題の“ STATE OF PLAY ”は、「現在のところ」とか「現状」、「進捗」みたいな意味で、あまりピンとこない気がする。
我々日本人には馴染みのないスラングとか、業界の隠語とか、何か他の意味があるのか知らん…。
邦題の良し悪しは置いといて、内容的にはテレビ版の副題「陰謀の構図」の方が、少しジャック・ライアンとかスパイものっぽいものの、しっくり来るように感じるが、クライマックスを迎えた時に、なるほどと思える邦題。

個人的にレイチェル・マクアダムスのファンなので、点数がやや甘いかも。
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