みおこし

ジーグフェルド・フォリーズのみおこしのレビュー・感想・評価

3.3
『巨星ジーグフェルド』を観た後に本作を観るという最高のタイミングで本作を鑑賞。レビューの王様、フローレンツ・ジーグフェルドが手掛けた作品を豪華キャストが再現?する作品。監督はかの有名なヴィンセント・ミネリ!!奥様のジュディ・ガーランドと新婚ホヤホヤの頃の作品ですね。
他のレビューにもありますように、コントとミュージカルがオムニバス形式で交互に展開される異色作品。映画というより本当に何かのショーを観てる感覚になります。
10年前にジーグフェルド役を演じたウィリアム・パウエルを起用したMGMの演出は本当に心憎い。(笑)

まず特筆すべき曲は、フレッド・アステアの3曲。
"The Heart Of Mine"はお得意のエレガンスなデュエット。どうしてこんなに体の力を抜いて、ふわ〜っと舞うことができるのか。やっぱり天才だな、アステアは。
お気に入りの"Limehouse Blues"は、チャイナタウンの労働者をテーマに、オリエンタルな雰囲気満載でセンスを持って踊るアステアが楽しめます。この振り付けもなかなかユニークで面白かった!!
冒頭の"Here's To The Girls"もピンクと白の衣装が印象的でした。ルシル・ボールが突然出てきて踊るし、たくさんいるダンサーの中で唯一フィーチャーされているひときわ美人なバレリーナはよく見たら、シド・チャリシーでした!

ジュディ・ガーランドは一瞬だけ登場するけど、歌というよりほぼコント。でも旦那さんが監督?に携わってるだけあって、本作のジュディめちゃくちゃ美人です。セクシー路線で売りたいけど上手くいかない女優さんを演じていますが、かなりピチピチのセクシー衣装で踊る姿はなかなかエロいです(笑)。ちょっとの登場なのにこの貫禄、このカリスマ性。やっぱりスゴイです、この方。

でも何より一番見応えがあるのは最後!
なんてったって、フレッド・アステアとジーン・ケリーというハリウッド史上最高のダンサー2名が夢の共演を果たしている唯一の作品です。(ザッツ・エンタテインメントは除いて!)もうそれを観るだけでも本作は一見の価値があります。
ジーンは若干というかかなり若い!
全く同じ振り付けをこなしている分、2人のダンスの系統の違いが色濃く分かる。
まさに上品さと軽やかなダンスが売りのアステアと、パワフルでアクロバティックなジーンのダンス。どちらももうシビれるの一言に尽きます...!!
バレエ、タップ、ジャズとどんなジャンルもこなせる2人の天才の競演、ひたすら釘付けになってしまいました。
できることならもっと2人の共演作を観てみたかった。

コント部分は噂通りつまらなかった(笑)。注目部分はレッド・スケルトンと、『ファニー・ガール』のモデルのファニー・ブライスくらいかなあ。
レナ・ホーンも歌ってたり、エスター・ウィリアムズも出てきます。ひたすらMGM看板スターそろい踏み。

でも全体的に地味な印象が拭えず。これだけキャストが揃ってると、意外と魅力が分散しちゃうのかな...。楽曲も個人的にあまり印象に残らず。
でも豪華スター競演が見られるので、往年のミュージカルファンは必見です!セットもきらびやかで、こんなに多くの曲を振り付けてダンサー揃えて...当時の映画は文字どおり夢のような世界観。もう二度とこういう映画は作れないんだろうなあ。
『ラ・ラ・ランド』旋風で、またミュージカルが流行る時代が来ますように。
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