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芙蓉鎮のunknownのネタバレレビュー・内容・結末

芙蓉鎮(1987年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「あの時代は一体なんだったのか、なぜあの様な事が起こり得たのか」
(中国映画の文化人類学 西澤治彦 より)

社会主義は、私有財産を認めない。これぐらいしか知識としてなかった私は、この映画を見て、あまりの理不尽さと苦しさに驚いた、、
ここ映画の素晴らしいところは、庶民を徹底的に描いているところであると思う。有名な毛沢東をはじめ、党のトップがほとんど出てこない。著書にも出てくるように「建国以来の政治運動が行政組織の末端レベルにおいてどのように展開されたのかがよくわかる」。出てくるのは芙蓉鎮の庶民たちと幹部たちのみ。

胡玉音が「必死に働いただけなのに(なぜ)」と叫ぶシーンが強烈。ほんとだよ、って思いました。
追い詰められた二人の恋愛は、お互いを支え合っていて夢中になってしまったし、谷さんの無言の訴えにもグッときてしまいました。何より過去にこのような状況があったという事実が、なんとも言えない気持ちにさせる、受け止めきれない

いきなり財産を戻すよ〜って言われたのも、主任がヘラヘラ話しかけてきたのもイラーーーーっとしたけれど、当時の人たちにとっては、安堵と歓喜と、、複雑な感情とすっぽり心が抜けたような気持ち、いろんな気持ちがあっただろうなと想像します。イラーーーーっとするのを抑えて、冷静かつ笑顔で皮肉を言った旦那さんには拍手でした。文化大革命が巻き起こした農民たちへの影響は、最悪のものだったと思います。しかしそれが実際にあったという事が、王のドラが響く最後のシーンを不気味に演出している。。。。。。。。。
すごい映画だ、、、、、勇気と監督の映像化すべき責任を感じたのが伝わる映画だ、、、、、、、
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