似太郎

用心棒の似太郎のレビュー・感想・評価

用心棒(1961年製作の映画)
5.0
【斬られりゃ痛えぞ〜😁】

のちにセルジオ・レオーネ✖️イーストウッドにより『荒野の用心棒』としてリメイクされた事でも有名な作品。黒澤明らしく懐疑的な視点の冴えるアクション巨編。墨絵のようなモノクロ映像が美しい。

何より主人公「三十郎」を演じる三船敏郎が髭面の【作り物感ゼロ】な時代劇らしくないニヒルなキャラ造形で、これがのちにイーストウッドに引き継がれるんである。尺が黒澤明の割に2時間未満で収まるところもイイね。⏰

「正義と悪は表裏一体」といった人間の裏心理を抉る菊島隆三のシナリオが秀逸。宿敵、仲代達矢がピストルで待ち受ける構図がキメキメでホントーに西部劇的。人間の片腕がもげるスプラッター表現もあり。

黒澤と同様に西部劇の模倣をやってる『独立愚連隊』の岡本喜八と見比べてみるのもいい。あちらは大袈裟で安っぽく文体がフリーキーだが、黒澤さんの場合シナリオに重きを置いているため非常に完成度が高く画作りも重厚。

別にどっちが優れているかとか、この際どーでもいい事ですけどね。😅
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