真世紀

いのちの朝の真世紀のレビュー・感想・評価

いのちの朝(1961年製作の映画)
3.9
月末恒例Amazonプライム見放題終了間近の駆け込みで久々に日活作品をセレクト。白樺派の作家・武者小路実篤『暁』が原作。

頑なに居宅のある武蔵野の風景と馬鈴薯を四十年描き続けてきた宇野重吉演じる老画家。友人で時流に乗る画家の勧めにあわせて愛娘がモデルを志願したことも合わさって個展開催とこれまで取り組むことのなかった百号のキャンバスの大作に挑む。

娘役は芦川いづみさん。この十数年は人間を描いたことがなかったという老画家。娘のデッサンをこなすことから取りかかる。

娘「だって、せっかくお父さんがいい絵をお描きになろうと思っているのに私のようなモデルじゃお気の毒でしょう」
老画家「いや、ジャガイモよりきれいだよ」
娘「まあ、ひどい」

芦川いづみさん、誠にお綺麗。瞳や唇のアップもあったりでスコアも加算有り。

絵が完成するまでの父娘のすったもんだも経て個展も成功。「300号でも400号でも」と更なる大作への意気込みを「百畳敷きのアトリエでも建ててな」と語る老画家。それに対する妻の「あんまり大きなことを考えない方がよろしいですよ。松沢病院(注・著名な精神病院)行きになると困ります」の一語に吹く。
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