実在の迷宮入り事件をもとにしているとのことで、取材に取材を重ねた本格社会派推理ドラマとして楽しめた。
2時間半という長さだが最後まで緊張感を持って鑑賞できた。
デヴィッド・フィンチャー氏の映画は実は初めてだったのだけど、このような綿密な作りは好みだなあ。
他の氏の作品も観てみたい。
ゾディアックという殺人犯が出てきて猟奇殺人を次々と行っていくのかと思いきやゾディアックが登場したのは前半部分だけ。
大部分が警察と新聞社の推理劇に費やされる、そこが少し映像的なカタルシスを求めていると物足りないかも。
しかしにっちもさっちもいかない捜査の様子など、まあ史実をもとにしているだけあってこれがリアルなのかなと感じた。
緊迫感のあるドラマの中に、漫画家の男をはじめとして愛嬌のあるキャラクターが登場したりユーモアのあるやりとりがあって、観ていて一息つくことができた。
漫画家の男が順調に妻や子供を作っていくのがなんだか観ていて和んだw
よかった、あのオタクっぽい彼もちゃんと家庭が築けるんだなあって、逃げられてたけど...。
1960〜70年代のレトロかわいい家屋や車も楽しめた、物語の本筋以外の楽しみがあってお得感があった、音楽も当時のヒット曲を使用してるとのことで当時の雰囲気があってグッド。
状況証拠だけでは警察は犯人と決めつけることはできない、その通りだよな。
結局犯人は捕まえられないけど、確かにその原則は大事なんだろうなと感じる。
なにか今のSNSで簡単に人を裁ける時代に思い出したい事柄のような気がした。