歩葉戸路素

テンタクルズの歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

テンタクルズ(1977年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

巨大タコが暴れる素晴らしいゴミ映画
こんなに大金かけて製作&宣伝されたクソ映画もそうそう無いハズ

製作国はイタリア!!!
なんか最近イタリア映画ばっかレビューしてる気が…
監督はオリバーヘルマンという方だが
なんとこれ製作者オヴィディオ・G・アッソニティスの偽名らしい!笑
アソニティス氏は以前紹介した映画フライングキラーで取り上げてた
殺人魚フライングキラーの実質的監督でありジェームズキャメロンを奴隷のようにコキ使ったおそるべしローマ皇帝
別名イタリア版ロジャーコーマン

内容は巨大タコが人間を襲う動物パニック映画
ジョーズ亜流作品の一つでサメからタコに変えて超絶劣化した物語

前半は新聞記者が行方不明事件と巨大生物を追うというミステリー展開だったが
後半タコとの対峙シーンでは新聞記者は全く登場せず、脇役だったシャチを飼い慣らすダイバーへ主役がチェンジする!
(今までの展開はなんだったんだよ…)
しかもこのダイバーが活躍するかと思いきや…
彼は岩に足を挟み相棒に助けられて、挙げ句の果てに巨大タコは友達のシャチくんが頑張って退治するという展開へ!
何も見せ場なかったな…主人公

他にも延々と水増しのロマンスシーンがあったり酷い脚本なのだが
特撮も中々に酷くて
巨大タコは一部を除きほぼ『水槽の本物の生きたタコ』で撮影!
エドウッドの映画でも同じようなことやってたなぁ…
当時の人もこれ見てガッカリしたようである(皆ジョーズの洗練を受けていたので目が肥えていた)
ちなみにラストのシャチvsタコは
市場で買ってきた死んだタコを水槽にブチ込みシャチのハンドパペットと戦わせるという
『進化版お人形ごっこ』
である…!!!泣
もうやだこの映画…

でも個人的には自然の動物であるシャチが巨大タコを倒すラストは燃えるし良かった
主人公とシャチの会話も結構泣かせる
それとボートレース開始時、コメディアンの音声以外何も聞こえず延々とストップモーションが続くシーンは斬新だった!
こういうクセのあるシーンが多くて独特の中毒性がある

このテンタクルズはBlu-rayが中々に豪華で
当時の木曜ロードショーで流した編集版も収録しており超必見!
私は通常版とテレビ放送版の二つを見たが、圧倒的にテレビ放送版の方が良かった
もちろん当時の吹き替えが収録されているのだが、テレビ放送用に独自の編集がなされているのだった!
冒涜でタコに襲われるシーンだけを集めて繋ぎ合わせたオリジナルシーンから始まり、無駄なラブロマンスや主人公の無駄な葛藤シーンをカットしまくって
テンポを飛躍的に上げたのは素晴らしい編集技術だと感じた
それからBDに付属しているブックレットはテンタクルズファンには必読!
巨大タコは実は超大金かけて作った撮影用のタコロボットがあったのだが、水の中で動かなかったり…武道館で1万人以上が駆けつけ超立体音響ライブ版テンタクルズが上映されてたり
面白エピソードが沢山あった

クソ映画だが何度も観たくなる謎の中毒性を感じる作品!
歩葉戸路素

歩葉戸路素