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トータル・リコールのKZKのネタバレレビュー・内容・結末

トータル・リコール(2012年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

・「胡蝶の夢」や映画「マトリックス」のような、今いる世界が夢と現実どちらなのか分からなくなる話。
・スタンダードに解釈するなら、「二重スパイの男が愛を貫き、コロニーを独立に導くハッピーエンドの話」
・この場合、「抑圧された記憶が表出」されて、「ピアノが弾けたらいいのに」と言ってみたり、007の小説を読んでスパイに憧れたりしていたと考えられる。
・一方、別の解釈としては、「単純作業の繰り返しで昇進も出来ない男が、REKALL社で二重スパイの記憶を埋め込まれ、観客は途中からその埋め込まれた「二重スパイの冒険譚」を見せられている話」、とも解釈できる。
・こちらの場合は、日頃「ピアノを弾けるようになりたい」とか「何かすごいことをしてみたい」という夢を、埋め込まれた記憶で叶えていることになる。
・最後のシーンでREKALL社の看板を見上げるシーンも、「この記憶はREKALL社の作品です。」という意味にも読み取れる。
・どちらが正解とは言い切れないのがこの作品の良いところで、両方の解釈が成立してしまう。
・自分は、夢、記憶、過去、妄想、現実、これらの境目が分からなくなり、イマ・ココにいる自分という存在が不安定になる物語にどうしても惹かれてしまう。
・シュワちゃん主演のオリジナルのインパクトには負けてしまうが、近未来感やコロニーの雰囲気はこちらの作品の方が好き。
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