天鵞絨

トラック29の天鵞絨のレビュー・感想・評価

トラック29(1987年製作の映画)
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私が見たサービスの紹介文には"幻想的な物語"と説明があったので観たのですが
物凄く気の滅入る救いの無い話でしたねこれ……
評価に困りますよ

主人公・リンダは15歳の頃に望まぬ妊娠をし、相談できる相手もおらず精神が参る。産んですぐ赤子と引き離されたため、家には数多くの人形が……
リンダの夫・ヘンリーは遅刻常習犯。職場では不倫相手と淫行を働くわ注意力散漫故に間違った薬剤投与をするわで。もっとひどいのがリンダのことを「ただの頭のおかしな奴」と見下し相手にもしないところ。

夫婦間も、リンダは父性を求めるもヘンリーにはその器がなかった。ヘンリーは被虐趣味を持ち、大人の女性を求めてるっぽいのでもう救いようが無い。

リンダが産み出したマーティンは、リンダを襲った従業員のような暴力性、リンダが本来持ちたかったであろう母性を求める存在であり、「大人の役割を捨てて子供らしくいたい」と反発する悪夢のような人間性を持つ。

マーティン役のゲイリー・オールドマンの怪演が最高ですね。急に無邪気になったかと思えばヒステリックになる場面だったり、喜怒哀楽が制御出来てない人の特徴を掴みすぎてて本当に背筋が凍りました。
とにかく気持ち悪い映画でした。
天鵞絨

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