薄

俺たちに明日はないの薄のレビュー・感想・評価

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)
3.0
アメリカン・ニューシネマの先駆的な作品でもあり、代表作。ラストシーンは超が付くほど有名だけど、通して見たことはなかったので改めて鑑賞。

その後のニューシネマに比べると理屈臭さがなく、ストレートに社会への反抗が描かれていくのが印象的。ピュアな形のニューシネマという感じ。

同じアンチヒーロー映画でも「ジョーカー」ではこれでもかと言うほど悪(役)になる理由を並べていたが(というかその説明の映画だった)、この映画ではほとんど語られない。あっけらかんと無邪気に強盗と殺人を繰り返すボニー&クライド。これを青春映画のように描けたのはこの時代だからこそだと思う。

それだけ今は健全になったという事だけど一方でアンチヒーローが求められるような閉塞感は変わっておらず、健全になった事で逃避先すらなくなってより不健全になっている気もする。
薄