SHIN

俺たちに明日はないのSHINのレビュー・感想・評価

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)
3.8
タイトルは原題・邦題共に知っていたけど、何となく観てなかった本作。

アメリカンニューシネマの原点と言われ、映画史において重要なポジションらしい。アメリカンニューシネマ、この前観たイージーライダーについて調べた時にも出てきたワードだったのでWikipediaで調べてみたら、

「1960年代後半から1970年代半ばにかけてアメリカでベトナム戦争に邁進する政治に対する、特に戦争に兵士として送られる若者層を中心とした反体制的な人間の心情を綴った映画作品群、およびその反戦ムーブメント」

という事だった。

内容自体は犯罪カップルが犯罪を重ねていくもので、現代からの視点では目新しさは無いんだけど、半世紀前の公開当時はとても斬新だったんだろうな。後世にも多大な影響を与えている。

世界恐慌の中、犯罪に手を染めてしまうが、一度犯罪に手を染めると、捕まるまでは逃亡生活が続く。ボニーとクライドは、ゲームを楽しむかのように犯罪を重ねていくが、一見楽しんでいるように見えて、実はそうでもしないと不安に押し潰されるからという、深い悲しさが根底にあったのではないだろうか。そう考えると切ない。

今観ると「そこそこ面白い」程度ではあるけど、その後の映画やカウンターカルチャーに与えた影響を考えると、心底観て良かったと思えた。
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