ココ太郎

俺たちに明日はないのココ太郎のレビュー・感想・評価

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)
4.1
映画は時代を写す鏡。バイオレンス、スプラッタが当たり前の今の目線で
観てはいけない。
なぜこの映画が衝撃的なのか。詳しい解説は批評家さんに任せるとして、
私の個人的な思い出を書くことにしよう。

1967年作だが、私が観たのは中学生の時のリバイバルか、名画で。

ボニーとクラウドの行き当たりばったりの犯罪道行に完全に入り込んで観ていた。
そして、あのラスト。多分中坊の僕は、口をあんぐりと開けっ放しにしていただろう。
しばらく、衝撃で言葉が出なかった、かすかな記憶が残っている。

2時間前に知り合っただけなのに、映像の中の人物なのに、
「何とかならなかったのか!ボニー!」
「途中で引き返すことだってできただろう!クラウド!」って
数日間は、二人のことが頭から離れなかった。

先日30数年振りに再鑑賞したが、初見ほどの衝撃はなかったが、映画としての完成度は、単に衝撃だけの作品とは一線を画した名作だった。

若い二人にべったりくっ付くのでも、引き離すのでもなく、
ある時は
「こんなバカなことをして。」って厳しく、
ある時は、
母のように包み込む。

クライム映画としての完成形の映画です。

次世代に受け継ぎたい100本の映画②
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