ゆみな

リード・マイ・リップスのゆみなのネタバレレビュー・内容・結末

リード・マイ・リップス(2001年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

孤独なふたり。


ジャック・オーディアール監督作品って事で観賞。人間の闇の部分をサラッと映してくれる感じが好みの監督なんですよ。まあ、全作品観たわけではないですけど。

タイトルのリード・マイ・リップスっ言うのは、唇を読むって事で所謂読唇術ってやつですね。耳の不自由なOLのカルラ(エマニュエル・ドヴォス)は、補聴器をつけてテキパキと仕事をこなしてはいるんだけど、同僚や友達には蔑ろにされて悶々としながら生きている。仕事に追われ倒れてしまったカルラは上司の意向でアシスタントを雇うことになり、そこにくるのがポール(ヴァンサン・カッセル)なんですね。お世辞にも仕事が出来そうにみえないし、しかも刑務所を出たばかりの彼を採用したのは、自分と対等…もしくは自分より下の人間に思えたのかも。そんな気持ちで採用したポールに彼女は少しずつ心を許していくんだよね。その打ち解けていく様も好きだったり。

カルラがめんどくさい友達にポールを紹介するくだりとか…子守りを断るところとかめちゃめちゃスッキリした!そして、ポールと親密になるにつれ自分に自信を取り戻していくのも良かったし、何より綺麗になっていくのが女って感じだな~って思いました。

カルラの読唇術で一発逆転狙うお話なんだけど、ラストの方はハラハラしたな~。脚本よく出来てるな~って思ったら、セザール賞で脚本賞獲ってるじゃんね。納得。


保護司の唇を読んだカルラが、やっとポールと抱き合うラストは素晴らしかったなぁ。長い長い孤独から抜け出す瞬間。

ジャック・オーディアール監督作品の中ではかなり好きな1本になりました。
ゆみな

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