リード・マイ・リップスの作品情報・感想・評価

「リード・マイ・リップス」に投稿された感想・評価

pappo

pappoの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

本当によく出来た脚本で、なにもかもが素晴らしい作品だった。
ヒロインがチョイブスなんだよね、それがいい。そのことがストーリーを支えている。
美人かブスかという話は多分タブーっぽいんだけど、この作品の重要な部分なんで敢えて書くけど、日本の映画で登場するのは大抵美男美女かネタ的なブスなんだよね。ネタ的なというのは、ブスで売ってるようなお笑い芸人枠とかブスで売ってる女優枠とか、その中間の何だかブスなんだよね、あれ? ブスか美人かわからん、って感じの子が出てる作品って皆無ではないけど、少ないし、あってもここまでストーリーに深く絡んでこないよね。(100円の恋とかはそんな作品なのかな? とも思えるが)
この話はヒロインがチョイブスというところが女の行動に説得力を生んでるんだよね、
でも男がヤクザに捕らわれてからのヒロインの行動はコンプレックスなんかかなぐり捨てて、ただもう男を救いたい一心なんだよね。そこがまたいい。
読唇術とこそ泥という特技を活かしたストーリー展開もいい、そうしてラストに二人がようやくキスをする、しかも熱く、その理由もいい。
なにもかもがいい。ホントに好きな作品だった。
これからも何度もリピするだろう。
ここでのレビューでこの作品を知り、魅力を知った。
丁寧なレビューで観る気にさせてくれたアナタに感謝します💛
無

無の感想・評価

3.8
職場では冴えない女と馬鹿にされる耳が悪く地味なOLと、刑務所帰りで保護司付きで借金のカタにクラブでタダ働きをさせられてるチョイ悪男が織り成すいびつな愛とサスペンスの物語。

数年ぶりに再鑑賞。
美男美女とは言えない個性派な二人だけど恨めしくて物欲しげな上目遣いで男を睨むエマニュエル・ドゥヴォスと、何日も洗ってなさそうなベタついた髪が逆に男臭さを感じさせて鼻血顔もセクシーなヴァンサン・カッセルの組み合わせが最高に似合う。
種族が違う野良犬と野良猫みたいな不器用で人や社会にうまく迎合出来ない二人が距離は近いのに良いムードになっても彼女を現実に引き戻してしまう女心が分からない、ちぐはぐで煮え切らなくて互いに一歩踏み込めないままラストを迎えた時に初めて訪れる二人が抱き合ってキスをするシーンには痺れた。
鼻血で汚れたので脱いだ男のシャツの匂いを思いっきり吸い込んだ後に誰もいない暗がりの部屋でそのシャツを素肌に羽織ってスカートとパンツを脱ぐ場面が印象的。
美人ではないがどこか惹かれるこのヒロインの役はエマニュエル・ドゥヴォスにしか演じられないキャラクターだったと思う。
普段は苦手なヴァンサン・カッセルの爬虫類顔もこの作品では格好良く見えた。
この監督は「預言者」でもあったけど抑え込まれ、パシリに使われてた主人公が立場を逆転させ一泡吹かせる展開を作るのが巧い。
顔の産毛が見える程アップを多用し、二人の息遣いや鼓動が聞こえてきそうな臨場感のある映像も良かった。
合間に入ってくる保護司のエピソードは意味不明だけどスパイスとしてはまあいいか…
ベストムービーの後ろの方に入れてるとオシャレな感じがする作品ナンバーワンだと思ってるので小粋なフランス映画が好きな人にはぜひおすすめ!
TAKA

TAKAの感想・評価

3.4
2人とも孤独すぎる。
難聴のOL、刑務所あがりの青年。
お互い孤独だからその寂しさがわかるんだよね。
もっと違う形で孤独の穴を埋めて欲しかった。
どうか2人が幸せになってほしい。

とり

とりの感想・評価

4.0
《共犯関係》は「人」という漢字のように互いに支え影響を及ぼし合いながらヤクザな成り上がり&強盗計画になっていく...大人なラブ×クライムサスペンス。フランスが世界に誇る【日常に潜む犯罪】映画の巨匠ジャック・オーディアール初期の一本で、主演にはエマニュエル・ドゥヴォスとこの後世界を股にかけて活躍することになっていく切れ味抜群セクシーすぎなヴァンサン・カッセル(あのウェッティヘアスタイルと髭は反則!)。彼もまた犯罪に絡む出演作が多く、近年の、とりわけフランス外の映画の場合はマフィア等大体悪役(面)。秘かに性的欲望を抱えた、耳の不自由なヒロインは冒頭まるでアパートの鍵貸します状態に体よくコキ使われている。ジャック・オーディアール作品ではこの後も毎度のことだけど《キャラクターの描写》にしっかりと時間が割かれて丁寧だからこそ、満を持して徐々に道を踏み外したり"らしくない"ことをしたりした時に見ているコッチもサスペンスに掛かってドキドキハラハラするし、映画として上部だけじゃなくしっかりと深く面白くなる。それはつまり《共感》度合いで、例えば(僕個人はめちゃ好きですが)『ベイビードライバー』でヒロイン・デボラが急に主人公・ベイビーに全面協力して犯罪に加担する展開とかに違和感を覚えていた人も多いから。背徳感というか日常の中の非日常を垣間見たり疑似体験したりすることでそれが映画的カタルシスになって吊り橋効果のように揺らされる。決して犯罪モノとして始終スリリングとかそういうわけじゃないのだけど、却ってそれが良いし効果的。たまに笑っちゃいそうなほどシュールな瞬間もありつつやっぱりフランス&裏社会怖いとなるやつ。むしろオフビートな温度・空気感が何だかリアルで、よく統率されているから、いくつかの物語・出来事が平行して起こっても、頭がとっ散らからない。時折のジャンプカットというか見せる、見せないのバランスも良い(←根拠のない自信のドヤ顔素人とかが安易に真似しようとしたら絶対目も当てられぬほど酷いことになるやつ)。作家性という言葉を想起させるほどに脚本と演出によるオリジナリティーと深掘りは必見です。駆け引き、社会的底辺から上に逆らえ!

「ひでえ女」
TOMATOMETER97 AUDIENCE82
A clever and offbeat character study about two people discovering each other

このレビューはネタバレを含みます

難聴というハンディキャップにも屈せず真面目に働く主人公
コンプレックスを抱えるがゆえ
周囲の人達にも溶けこめず会社でも孤立する彼女は
一人で仕事を抱えるあまり倒れてしまう。
上司の勧めもあり部下を雇う事にするが
面接にきたのは前科あり保護観察の身の男だった。




      ☆ --------------------- ☆



          ネタバレになるので
  ↓  作品が気になる方は閲覧しない方がいいです。 ↓




以前、観た事あるんですがタイトルが思い出せなかった作品
もう一度、観たくて再鑑賞。
会社でも孤立し気心知れる相手もいない
友人と言える存在も彼女の寂しさに付けこみ利用する輩ばかり
そんな彼女にあるのは孤独を紛らわす仕事だけ。
恋やオシャレを楽しんだり、夜の街ではしゃいだり
そういう自由に憧れを抱きながら諦めてきた主人公の淡い恋心
妙に女心くすぐるヴァンサン・カッセルの色っぽさもたまらなかった。
ゆみな

ゆみなの感想・評価

3.6
孤独なふたり。


ジャック・オーディアール監督作品って事で観賞。人間の闇の部分をサラッと映してくれる感じが好みの監督なんですよ。まあ、全作品観たわけではないですけど。

タイトルのリード・マイ・リップスっ言うのは、唇を読むって事で所謂読唇術ってやつですね。耳の不自由なOLのカルラ(エマニュエル・ドヴォス)は、補聴器をつけてテキパキと仕事をこなしてはいるんだけど、同僚や友達には蔑ろにされて悶々としながら生きている。仕事に追われ倒れてしまったカルラは上司の意向でアシスタントを雇うことになり、そこにくるのがポール(ヴァンサン・カッセル)なんですね。お世辞にも仕事が出来そうにみえないし、しかも刑務所を出たばかりの彼を採用したのは、自分と対等…もしくは自分より下の人間に思えたのかも。そんな気持ちで採用したポールに彼女は少しずつ心を許していくんだよね。その打ち解けていく様も好きだったり。

カルラがめんどくさい友達にポールを紹介するくだりとか…子守りを断るところとかめちゃめちゃスッキリした!そして、ポールと親密になるにつれ自分に自信を取り戻していくのも良かったし、何より綺麗になっていくのが女って感じだな~って思いました。

カルラの読唇術で一発逆転狙うお話なんだけど、ラストの方はハラハラしたな~。脚本よく出来てるな~って思ったら、セザール賞で脚本賞獲ってるじゃんね。納得。


保護司の唇を読んだカルラが、やっとポールと抱き合うラストは素晴らしかったなぁ。長い長い孤独から抜け出す瞬間。

ジャック・オーディアール監督作品の中ではかなり好きな1本になりました。
n

nの感想・評価

4.0
オーディアール感とは何か。まだ掴みかねているけれど、一見わかりやすい道具立てでわかりにくいエモーションを描き出していること、ジャンル的には娯楽作寄りながら透徹した詩情を湛えていること、常連作曲家によるオリジナルスコアがフィルモグラフィーに一貫した個性を授けているように感じられること……などから、何となくフランスのノーランみたいな監督だと個人的には思っている。未見の作品も楽しみ。

それはさておき、主演のエマニュエル・ドゥヴォスが最初から最後まで圧倒的に素晴らしい。そして、かなりヴァンサン・カッセル度の高いヴァンサン・カッセルである。
我らがヴァンカス兄さん(ヴァンサンカッセル)の格好良さだけを堪能するにはどういう映画を作ればええんや....。という企画会議の元に作られて映画、きっと‼︎
Santa

Santaの感想・評価

5.0
根暗で底辺臭一杯で、さらに気色悪いショット満載で、エグくて、こういう作品は好みではないのですが、しかーし、
撮影アングル音楽etc全てが素晴らしい🌟
ジャック・オーディアール監督の唯一無二の才能を感じます🌟
本作でクローズアップされるのは、ふたりの社会的弱者。難聴の独身女性カルラ(エマニュエル・ドゥヴォス)と、ムショ帰りで保護観察中のポール(ヴァンサン・カッセル)は昼と夜で異なる仕事を共にこなし、両面的な顔を見せる。結果、ふたりでマフィアの大金を盗むために悪戦苦闘するクライム・サスペンスとなるわけだが、そこにスパイスを加えるのがラブストーリー要素。男性不信もあり性に不憫なカルラ、セクシーなルックスで粗雑なポール。ふたりのぎこちない愛の様相が、観る者に緊張感を与える。

クライマックスの金を盗むシーンでは、難聴であるカルラだからこそ成し得る読唇術を用いた二人のやり取りで、見事完全犯罪を遂行させた。このシーンこそ、この映画の全てを物語っていた。リード・マイ・リップス。読唇術だけで犯罪を成功させたのではない。ふたりのぎこちない、よもや愛とは呼べない、唇も交えたことない絶妙な関係が生んだ結託が成功をもたらした。

#ヴァンサンはエロスケ
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