こく

回路のこくのレビュー・感想・評価

回路(2000年製作の映画)
4.8
黒沢清がメジャーにやや寄り添った傑作ホラー。

インターネット回線を通じてあの世から溢れ出す幽霊。理由は不明。ただ、なんとなく繋がったのだ。それも黒沢らしい、ネットという得体の知れない世界の捉え方だ。

バランスを崩しながらゆっくりと歩いてくる赤い服の幽霊、謎のサイトに映っている自殺者たち、首吊り死体、ワンカットで撮影された投身自殺、テレビで無限に流れる訃報ニュース、赤いテープで作られた開かずの間、無人の街となり燃える新宿。

小中理論を踏まえつつも、ホラー映画として、後の諸作に影響を与えた素晴らしい表現が詰まっています。
こく

こく