わきお

アパートの鍵貸しますのわきおのレビュー・感想・評価

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)
4.0
◼️サラリーマンはつらいよ

あらすじ

平凡なサラリーマンの男性バドは、ひょんなことから管理職連中の逢い引きの場として、平たく言えばラブホとして自身のアパートを貸すはめになってしまう。彼らの顔を立てることに振り回されっぱなしのバドだが、管理職連中に貸しを作ることで出世することを狙っていた。
そんな彼は会社のエレベーターガールであるフランに密かに想いを寄せていた。だが、フランはバドのアパートに出入りし始めた人事部長の愛人であることが分かり…

上からの意見にNoと言えない平社員バドの悲哀っぷりは切ないが愛嬌もたっぷり。管理職連中が揃いも揃ってクズ野郎しかいないのもあって彼の善人ぷりが際立ちます。今も昔も気が優しい人っての損しがちよね。

バドが想いを寄せるフランを、若き日のシャーリー・マクレーンがチャーミングに演じています。純朴が故に都合の良いように人事部長に扱われてしまう薄幸さも魅力的。幸せになってほしいと終始思ってました。

そんな二人が距離を縮めていく様子は古き良きハリウッドを体現しているかのよう。安心してみてられるし、ハートウォーミング。何より非常にすっきりした良い話に仕上がってます。

浮かばれない人々が救われる話って良いですな。まさに良心的な一本です。

クリスマスにピッタリですよ。
わきお

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