オビィ

イージー★ライダーのオビィのレビュー・感想・評価

イージー★ライダー(1969年製作の映画)
4.5
1960~70年代のアメリカの実状がふんだんに詰め込まれた作品だった。
アメリカ北部は先進的で今日のアメリカの繁栄を牽引した地であり、あらゆる事柄に寛容な姿勢を示しているが、反対に南部は排他的で黒人や同性愛者、少しでも気に食わない他所の人は容赦なく差別する。労働者もいわゆる「ブルーカラー(工場作業員)」などの貧困層が多く暮らす地だ。
アメリカは文字通り「自由の国」だ。でもそれは裏を返せば新たな軋轢を生み出す、るつぼになりかねない。
この映画では本人たちが正しいと思ってやっていることへの周囲の拒絶が原因で「生きるとは何か」「自由とは何か」という問いに向き合うことができる。一見ただ旅をするだけのストーリーがない映画に思うが、背景知識を頭に入れてから観るととても辛くなってくる。
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