当時の風俗観やジェネレーション、土地柄といった分断によって自由が絶たれるお話…と言うよりも「物語を語ること」の否定。この対極に50年代の西部劇やジャンル・ムービーがある…言い換えるとそのカウンターとして点在しているのが本作。フォンダとホッパーのだらだらと、連綿と続いてゆく日々がきっとフィルムの向こうにはあって、でもそれは「物語」ではないから終わらない。しかし無限に続く映画はないので終わらせないといけない。その葛藤の表象が終幕…レッドネックのデウス・エクス・マキナであり、本作の2年後に制作されたモンテ・ヘルマン『断絶』にて、映画における物語性の否定は「アンチ・ドラマチックな死」を超えた極致へと達する。