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イージー★ライダーのharumijanoのレビュー・感想・評価

イージー★ライダー(1969年製作の映画)
3.8
「彼らは個人の自由についてならいくらでも話すだろう。だけど実際に自由な個人を見るのは怖いのさ。」

《300字レビュー》
アメリカには封建制が存在したことがない。つまり制度として階級というものが存在したことがない。だから誰にでも成功するチャンスはあるという、いわゆる“アメリカンドリーム”だとか“生まれながらの自由主義社会”だなんて呼ばれてきた。でも、本当にそうなのだろうか。本当にこの国の住民は自由を愛しているのだろうか。自分達の枠の外で自由を求める者に対しては、むしろ積極的に排除してきたんじゃないだろうか。ジャック・ニコルソン演じる、旅に同行する弁護士の言う通り、自由を求めハーレーに跨って旅する三人は、ただ自由であるそれだけの理由で次々に村人に殴り殺され、撃ち殺されていく。何も悪いことなどしていないのにね。



ピーター・フォンダが製作、脚本、主演。デニス・ホッパーが脚本、監督、主演。それにジャック・ニコルソンが加わった本作。
70年代アメリカの、なんとも行き場のない落ち着かない雰囲気が醸し出されています。
アメリカはいつも映画の中に今日の空気を入れようとしてきたことが分かります。

場面切り替えとか、カメラアングルも、すごい味がありますよね。納屋でパンクをなおすシーン、カウボーイと二人を同じ画面に入れる妙。

余談?ですが、(僕が観たバージョンだけでしょうか?)劇中に挿入歌のアーティスト、題が出てきたのは初めてでした。
だから、「さぁ、ここで1曲。」てな具合のDJプレイみたいで、面白かったです。
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