shinobu

A.I.のshinobuのレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
4.5
3度目かな。地上波であったのでつい。
とにかくA.I.はスピルバーグの病んだマザコンが爆発してる。

ママの立場からしたら恐怖でしかないだろうな。

エモーショナル(感情)過多の事をキモい(気持ち悪い)と合体させエモいがある。
嫌な言葉だが本作のスピルバーグにはエモいが当てはまるだろう。

原案のスタンリー・キューブリックが監督してたらもっと冷めた視点だったろうが、スピルバーグが監督をしたせいで母親に愛されたいと願うデイビッドに対して感情過多になってしまった。

これは如何なものか?と思ってしまうシーンはある。

キューブリックが2001年宇宙の旅でひょろ長い宇宙人を出そうとしたけど技術的にダメだったからあのモノリスになった。

A.I.でひょろ長宇宙人(実際はロボット)が出るけど…やっぱりキューブリックがモノリスにしたのは正解だった。

色々とキューブリックオマージュがちょっと照れるくらい出てくるし。

星に願いを。ブルーフェアリー青い妖精などなどスピルバーグ未知との遭遇から変わってねーな!
つーかほぼスピルバーグの映画は家庭不和の話ばっかりやな。そりゃユダヤ人で難読症でいじめられ幼い時に両親が離婚して自身も離婚したけどな。
失敗作なのは分かってる…でも好きなんだよ!

なんでこんな辛い想いをして観ないといけないんだ?って思うくらい辛いシーンの数々。最初から最後まで辛い。

インダストリアルメタルバンドのミニストリーに演奏させ、レッドネックがロボットをぶっ壊す地獄シーン。

人間に近いのに人間扱いされないロボットやデイビッド君を見てるとどうしても迫害されてきたユダヤ人や黒人の事を思い出すだろう。
実際にデヴィッドって名前はユダヤ人がつけさせられたダビデの星から取られたそうだ。
スピルバーグがユダヤ人でシンドラーのリストを撮ってるから偶然ではないだろう。

原作あれど、鉄腕アトムとピノキオを合体させたような、どこまでもスピルバーグでしかない映画だった。

人間ってなんだろう。なんで生きてるんだ?

夢なんて望みなんて叶わない。

でも夢を実現するために冒険をするそれが人間。

だからデビッドは夢を実現させるために冒険して涙を流したんじゃないか。
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