再鑑賞。
[長文です+ネタバレ含みます]
付き合って頂いたらありがたいです。
故キューブリックが長年温めていた原案をスピルバーグが映画化したSFドラマ。
ってだけで惹かれてしまいますね。
初見時はそんな動機で鑑賞しました。
そして、初見時に本作を観た時の印象として、母親からの愛をただ一途に求める人口知能ロボットのデイビッド君が切なく見えて涙腺が脆くなったのを覚えています。
しかし、今回改めて鑑賞してみると、私には人間のエゴがテーマにあるように感じました。
息子の生まれ変わりとして招かれたデイビッド君、性処理のために作られたセックスロボットのジョー(薄毛の王様ジュードロウ←存在感やばい)、子守用のロボットのテディ、そしてその他諸々のロボットたち。
彼らは用がなくなったら人間たちによって壊されます。しかも、廃棄ショーにして人間たちは盛り上がり楽しむという悍ましい事をして。
それまで人間たちが己の欲望を満たすため、自分に足りない物を埋め合わせてくれたロボットに対して、あまりにも残酷すぎませんか?
結局は感情がないロボットだからっという人間の非情さが克明に映っているように感じました。
そんなエゴが渦巻く世界で、母親からの愛を一途に求めるデイビッド君がただ不憫でしかない。
最後はスピルバーグらしい締め方にしてくれたおかげで、なんとか報われたが、危うくとてつもない胸糞悪い映画になるストーリーでした。