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A.I.のレクのレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
4.0
故キューブリックの原案をスピルバーグが映画化したSF映画。
"愛する"という偽りの感情をインプットされた人工知能ロボットが母親に真実の愛を求める切ない物語は人間のエゴや非情さ、残酷さをより一層際立たせる。
一方で、"愛する"ということの怖さをも映し出す皮肉作。

愛とは決して人と人の間にだけ成り立つものではない。
人間視点とロボット視点との乖離は社会風刺としてモラルを。
そして人工知能の求める理想の形、"ピノキオ"像ではなく"人間"として扱われることを願う姿が愛とは何かを克明に描いている。

今作「A.I.」は「ブレードランナー」におけるレプリカントにも通ずる自分固有の生き方や価値観の獲得、自我の芽生え、アイデンティティの確立がテーマとも言える。
また、俳優陣の演技力で齎した無機質さや虚無感を作品全体に含ませることで、ラストシークエンスで見せる愛情に暖かみを与える。
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