Takashi

A.I.のTakashiのレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
3.7
残酷で悲しくて、それでも温かい作品でした。
スピルバーグのSFへの愛情や問いかけが詰まった映画。これが2001年、映像美や表現も含めて驚きでした。

AIロボットであるデイビッドは、ロボットである自覚以上に、自分が特別で人間的な部分が多いと思い、愛という感情が大きくなった故の、なんとも切なく、でも温かい物語だった。
ロボットでも愛情という感情を持つというのは、人間からある一線を超えてしまったという認識が生まれる。
それが無機物であるロボットが持ってもいいのか、でもそれに罪はない。それを与えた人間が罪だから。
今回もそうだと思った。最終的にデイビッドは海の底で氷河になったまま2000年が過ぎても尚、人間で生まれ変わり、そして愛されることを願っていた。
ある日異星人に助けられ、モニカを1日蘇らせることができると告げられ、それを望んだデイビッド。
ヘンリーもマーティンの邪魔のない、たったモニカだけから愛を注いでもらう1日。
そして夢の叶った彼は、モニカとともに永遠の眠りについた。
たったこれだけだった、彼が望んでるのは愛されることであったけど、それを刹那にずっと願い続ける、こんな酷いことはないし、しかしそれを開発したのも人間である。
とても難しい問題であると再認識した映画でした。
Takashi

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