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旅立ちの時のWILDatHEARTのレビュー・感想・評価

旅立ちの時(1988年製作の映画)
5.0
リヴァー・フェニックスの写真集を持っているのだけど、まるで写真集を眺めているような気分になってしまうほどリヴァーの最も美しい時を真空パックで封じ込めたような映画。

この映画の意義は色々あると思うけど、彼のような不世出のスターが若い時のある時期だけに見せる妖しいほどの煌めきがこうして記録として残されていることは、自分のように同じ時代を生きたファンにとっても嬉しい限りである。

彼がこの映画のラストで見せる泣き顔とピースサインがその後も生き続けることになる僕たちへのさよならと祝福を告げているように感じられて、観る度に涙が溢れてしまう。


物語は、独自の理想主義を追い求めた結果犯してしまった過ちを背負って社会からの逃避行を続けることになった両親と運命を別ち、若者が自立の道へと旅立つ瞬間を描いたもの。

数多くの印象に残るシーンがあるが、中でも主人公の母親が自分の父親と14年もの時を経て再会するシーンは作品中の白眉であり、派手さは無いながらも最大の見せ場となっているようだ。


エンディングでも流れるジェイムズ・テイラーの「Fire and Rain」と共に、忘れられない青春映画の佳作。


↓Fire and Rain / Lizzy McAlpine
https://youtu.be/dFq0MOyeZ2k?si=Zx9X-N2ag8QReSU1
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