マンメンミ

クワイエットルームにようこそのマンメンミのレビュー・感想・評価

3.8
ラストで精神病患者たちからの色紙ではなく、退院した一番まともそうに見えた女性からのメアドを捨てるシーンを観て、良い映画だったなぁと思えた作品でした。
ストーリーは薬物のオーバードーズで倒れたたフリーライターの女性が気がついたら精神病の閉鎖病棟に入院しており、そこに至るまでの過程を徐々に思い出し、精神病棟での交流を描いたもの。
登場する人々が患者もナースも見舞客もみんなどこかおかしくて個性的でした。
特に主人公の彼氏のキャラクターが面白かったです。
お尻出して泣いていたり、「マトリョーシカがマトリョーシカである事に感謝した」シーンは笑いました。
ただ笑える作りになってはいますが、終盤で真実を思い出す場面はシリアスで、絶望からのパンクは非常に共感できるものでした。
また、彼氏も放送作家の彼らしい作り話で主人公に真実を隠していたことが分かりました。
蒼井優も優しいけれど脆く繊細な役を演じ切っており好感を持ちました。
見送りの退院シーンでの「またお待ちしてます」は笑えるけれど、治ったと思えた主人公もまた戻る可能性があることを示唆しており、印象的なセリフでした。
マンメンミ

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