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コンドルの血のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

コンドルの血(1969年製作の映画)
3.0
【本来の意味で使われる《ヤンキー》】
K's cinemaにて開催中のウカマウ集団60年の全軌跡にて『コンドルの血』を観た。

本作はアンデスの村にやってきた胡散臭い医療チームとの軋轢を描いた作品である。ウカマウ集団の作品はゴダールに影響を与えたことで知られているが、確かに銃撃を受ける場面の鋭いショットは『カラビニエ』を撮ったゴダールに刺さりそうだなと思う。

全体的にとっ散らかった内容かつ催眠的で厳しいものを感じるのだが、要所要所に興味深いものがある。まず、何と言っても本来の意味で《ヤンキー》という言葉が使われている点にある。日本では不良のことをヤンキーと言うが、本来はアメリカ人に対する蔑称である。"Born to Be Wild"を背に踊り狂い、村人たちの卵も「あたいらが買い占めるよ」と圧をかける傲慢なよそ者。それに対する抵抗のドラマとして、牧歌的な空気から一気に革命の色へと変わっていく。こういうところは観て良かったと思う。
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