【原作も面白くないけど映画もダメ】
溝口健二監督作品、1951年、モノクロ・スタンダードサイズ。
大岡昇平原作で、武蔵野の地主の家に生まれたヒロイン(田中絹代)が大学教授の夫の浮気に悩まされながら、従弟の青年の求愛を必死にしりぞける様子を描いている。
私は原作は高校時代に読んで、面白くないなと思ったのだが、今回映画化されたものを観て、やっぱり面白くなかった。
ヒロインが不倫しそうでしないのが物足りないということもあるが、しないならしないで心理的な葛藤をもう少しねちっこく描かないといけないと思うのだけれど、案外さっぱりしていて、したがって残るものがないのである。
田中絹代もあまり魅力がない。
むしろ準主役で出てくる轟夕起子のほうがいい。