極楽蝶

夜光る顔の極楽蝶のレビュー・感想・評価

夜光る顔(1946年製作の映画)
3.5
終戦の翌年に公開された作品で興味深い。
軍事工場で大儲けした男の家庭に起こる事件を刑事が解決する展開だけど、刑事というよりも後の明智小五郎などの探偵物のような感じだったなぁ。刑事がやけにカッコいい。終戦の翌年とは思えない程にスーツをビシッと決め込んでいる。
街の風景は、廃墟もあって、戦後だなぁと感じる場面もあれば、反対に車や市電が走っていたり、整備された住宅街があったりと、戦後の街とは思えない場面もある。
弾丸の出ないと銃を渡され、戦友がどんどん戦死していき、自分を捨てた父親への復讐を抱くなんてところは、人々が戦後に軍部やそれに関係した人たちへの不信感の強さが生み出した設定なのかなぁと感じたし、「民衆」という言葉が何度も出てくるけど、これも戦後の世相を反映していると思ったなぁ。
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