リサフランク420

遠雷のリサフランク420のレビュー・感想・評価

遠雷(1981年製作の映画)
3.9
8/7/2017

良かった。ATG作品としては『祭りの準備』なんかと同じく親族や地縁のしがらみを描きつつ、団地に象徴されるような時代の移り変わりのもと変化しつつある若者像を、、みたいな感じ。都市化の波を表現しているのかどうか知らないが、農作業中に流れるやたらアーバンなBGMがミスマッチで良い。石田えりは何回も脱いでくれて最高。横山リエは木村多江に似ている。ラストの『わたしの青い鳥』はなかなかの名場面。

宇都宮出身者としての感想を少し。栃木弁がバリバリだという感想が散見されるが、実はこれジョニー大倉と中盤に出てくる県警のおじさんたち以外はイントネーションがあまり栃木弁ではない。U字工事と比べると少し違いが分かるかもしれない。まあその辺りの再現度は個人的にはどうでもいいけれど。今はもう若い人たちはあまり訛ってないし。あとセリフの言い回しは原作(未読)に忠実なためかすごく栃木っぽい。

あまり知られていないが、栃木は雷が日本一多いので「雷都」とも呼ばれている。遠雷は県民の心象風景の中にある象徴的な何かであると考える。