konoesakuta

遠雷のkonoesakutaのレビュー・感想・評価

遠雷(1981年製作の映画)
3.5
 都会との決別は特に描かれていないようにも思うけど、考えざるを得ない。

 失踪した父親が売ってしまったがため、小さくなった畑地でこじんまりと先の見えないトマト農家。長男は都会で就職。母親は嫁姑に苦しみ旦那は失踪。

 前途多難じゃん。田舎の実家を継ぐのは大変だよ。

 石田えりはよかった。主人公の境遇なんてぶっとばしてしまうくらいの天真爛漫さ。

 ジョニー大倉もとんでもなくよくて。演技が素晴らしくて。主人公の親友役をやるんだけど。半端なく良かった。とんでもない告白をする。
そこで永島と石田が農家を守りながら帰ってくるのを待つんだろうなあ。

 永島さんの軽さの中に多少のあきらめにも似た落ち着きを持ったキャラ、石田さんの瑞々しいある意味もっともまっとうなキャラ、そしてジョニー大倉を筆頭に個性的な脇役陣の染み入る演技をなめるように感じ取る映画。