ソフィーの選択のNobのネタバレレビュー・内容・結末

印象的なタイトルである「ソフィーの選択」が何を意味するのか…。生きるために非道な選択を強いられてきた女性の深い悲しみを、メリル・ストリープが物憂げな演技で魅了する。

ストーリーはどこか物悲しく詩的で叙情的。ポーランド人のソフィーと、複雑な病を抱えるネイサン、そして小説家志望の田舎の青年スティンゴ、この三人の奇妙な関係。そして、アウシュビッツ収容所でのソフィーの過酷なまでの体験。この二つの出来事が物語の中で絡み合う波のように代わる代わる押し寄せてくる。また、直接的な戦争シーンが描かれていないにも関わらず、悲惨な戦争がもたらす苦しみも痛いほど伝わる。

天秤にかけられるはずのない選択を十字架として背負わされるソフィーの姿が頭から離れない。アウシュビッツに収容された非ユダヤ系ポーランド人だからこそ迫られた選択。それがホロコーストの惨たらしさを象徴的に映し出す。