ケリー・ライカート作品を思い出した。似ているとまでは思わないが、女性が描く女性のリアルは、どこか共通するものがある。「リアル」という言葉が白々しいほどに重たく、しかし軽やかでアンビバレンツなイマジネーション。
また、序盤の裁判所シーンでのあっさりとした別れが良かった。「女はみな我が子との別れを嘆き悲しむもの」という認識を大幅に振り切っていた。イイね!と思った。そんな女もいて当然であって、そのような女を丁寧ではない切り取り方で描いており「この人(監督)、信頼できる!」と感じられた。信頼関係を結んだ気になれる。