ゆい

WANDA/ワンダのゆいのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
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全体を通してワンダへの共感は女性という属性に対するものしかなくて、こんな空っぽで品がなくて頼りきりな人嫌だなと苛立つ部分もかなりあったんだけれど、ワンダの持ちうるもの(自分で選び取れない物事も含めて)をもって社会で渡りゆくのはどうしても難しいんだと思うと、その生きづらさにやるせない気分になった

今までも何もできなかったし、次も何もできない、と考えるようになってしまった彼女の背景に想いを馳せると苦しい

「冬の旅」の主人公は死ぬけど、これからも生きるであろうワンダの苦しみはこれからも続くのかと思うと…

この社会で生きづらい女性を描く映画を見ると、無力感(自分が主人公に対して手を差し伸べられない無力感ではなく、自分はなんでもできると思っているけれど、ともすれば何もできなくなってしまうんだという無力感)にどんよりしてしまう
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