fogg

WANDA/ワンダのfoggのレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
5.0
50年以上前の作品とは思えない現代的な主題。

Blu-rayの解説によると、実際の銀行強盗事件が基になっているとのこと。女は逮捕され、20年の懲役。「生きていく理由はないのに、それでも生きていた」と語り、裁判官に感謝したという。

「ここではないどこか」を求めて、塀の中にすら入れなかったワンダの絶望が胸に刺さる。

1970年というと、アメリカンニューシネマ全盛期、一方で「テオレマ」や「エルトポ」など、「撮りたいものを撮るもんね」感あふれる作品もあり、面白い時代だったかも。「ワンダ」はニューシネマのような、反体制や刹那的という枠組みとはちと違う。インディペンデント映画の金字塔。
fogg

fogg