Solo1968

シベリア超特急のSolo1968のレビュー・感想・評価

シベリア超特急(1996年製作の映画)
3.6
カルト映画という自身のカテゴリーに分類され、かつ非公式なプロデューサーによって本作は色褪せない突き抜けたコメディー映画として僕の中ではずっと愛される作品となっている。

非公式?のプロデューサー、アンバサダー?親善大使?本作の魅力を監督や製作会社とも全く関係のないあの人物が本作のファンを作ったのは間違いなく僕も例外なくその多くの一人。

みうらじゅん氏

タモリ倶楽部によって紹介された本作の見所の解説で、深夜なのに大声を出して、涙を流して笑い すぐに見たい!と思い 探すもTSUTAYAではどこにも無く、田舎の中古ショップでゲットしたVHSを友人らとまるで、当時でいうインタラクティヴ的に一方通行でなく、すなわち、映像を受け止めるだけでなく、都度都合見る側がツッコミまくる?という相互関係を幾度となく繰り返し堪能した。未体験の人には是非共にその相互コミュニケーションを一緒に味わってもらいたいとも思う。
基本的に映画もドラマも知っている人が横でチャチャを入れると鬱陶しいはずだが、本作は稀に見る例外の作品で、本作のナビゲーター、すなわち本作を知っている人のガイダンスがより本作を昇華すると思える。

以下作品内容の感想。

○映画評論家のマイク水野氏が監督主演を務めた大作。
 映画評論家という職業上少し詳しいどころか、誰よりも映画を観て知っていて、良さをわかっている立場の職業。名作名監督名役者の良さも素人が知らない拘りなども分かっていなければ成り立たない。

 本作はそんな水野晴郎氏の映画の拘りをとことん凝縮した作品だが、映画マニアでない自分にとっては終始????クエスチョンマークしかなく、関係者さん達の撮影現場のある意味張り詰めた緊張感などを考えるとミステリーどころか、ホラーとさえ思える。

○冒頭の長回しの必要性
○口数が少なく頭が切れる主役山下を演じる水野晴郎氏の冒頭のセリフの棒読み感←ラストまでこの非役者感はだれることなくキープ!
○100%スタジオ撮影でロケゼロ、列車の走るシーンのイメージ画像が差し込まれる程度で、その違和感もハンパない!
○こんなシーン何度見ても必要なのか?と思えるジェームスボンドばりの高速で走る列車の上でのアクションシーンは、後にも先にもこれほどのものは無い!どっちに動いているのかすらわからないほどの静止感!どうしてふらついているのか?すらも謎の演技、それはもちろん走行中の列車の屋根の上という設定だが、何十回観ても本当にどっち向きに動いているつもりなのかも分からないので、変なパントマイムを見ている錯覚にも陥る!
○アンビリーバブルなどの再現映像に良く出てくる白人女性役者さんのチープさと、かたせりのさんという一流女優さんとのアンバランスさに主役の水野晴郎氏の揺るぎない棒読み芝居は、どんな映画やドラマよりも緊張感がある
○個人的には映画というのは、作品で伝えようとするテーマを直接言葉で表すことは少なく、またそれは見る側に委ねるもので、だからこそ、いやーー映画って本当に素晴らしいですね
となるのだが、本作はエンディングにおいて、主演のマイク水野氏がカメラ目線でぜーーんぶ台詞で言ってしまう!!とか そういう奇想天外なエンディング。
○ラストを彩るテーマ曲はなんと!演歌、、。これも繰り返し聞いていると絶対に欲しくなり、当時注文して買った程。

サブカルとしては絶対に外せない日本映画史に残る作品だが、普通にミステリーとして、評論家が作った作品として期待すると大火傷をおうのは間違いない
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