Takahashi

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのTakahashiのレビュー・感想・評価

4.7
あぁぁぁー!刺さって抜けない!
カッコ良すぎる!ドイツ映画初めて見た!

まず惹かれるのはジャケットのかっこよさ。
これはポスター欲しくなる。

90分という短さ、あらゆる無駄を省き、
ストレートに描く本作は全く主題から逸脱しないので観ていて気持ちがいい!
パッと観れたので最高でした!

一見、よくある逃避行ロードムービーですが"海を見る"というラストが共通認識としてある中で、過程をどのように描くのか、その一点勝負をしに来る姿勢がハードボイルド!

導入はテンポの良い、むしろ速すぎるカット割で、舞姫とスーツを着た屈強な男たち。これはカッコ良い立ち上がり。構図も面白い角度から人物を捉え、カメラが切り替わると同時にトランクからの人物を映すのは面白いなと思いました。

シークエンスが病院に移りますが、ここでもカット割の速さは変わらず、主人公マーチンとルディの人物像を提示していましたね。

そして、テキーラの出し方のクセ!
十字架を落として、棚からテキーラを出すという粋すぎて、寧ろクサイ!しかし、それが丁度良い!

大量の塩と大量のレモンに囲まれ、
対照的に少しずつテキーラを飲み、
"海を見たことがないんだ。"
"天国ではみんな海の話をするんだ。"

このシーンは一生忘れないと思います。

マフィア部下アブドゥルとヘンクの二人も、憎めないんですよねぇ。笑
ポンコツさが愛らしいというか、微笑ましいというか。笑

所々出てくるコメディ要素はいいですねぇ。
そうでないと寂しく、哀しい話になってしまう。

しかし、所々でマーチンが倒れてしまうシリアスなシーンを加えることで映画にメリハリがついて、素晴らしいです。

それから、超高級ホテルでの死ぬまでにやりたい事を何個か書き出して、数字をバディに言ってもらうやり方!これいいですよね!
今度、友達と旅先を決める時やってみようと思います。笑

度々変わる洋服と車はどれも最高で、
画面の明るさ、表情を変えてくれます。

ラストシーンは最高すぎる!
穏やかな海。囁くような風。刺す夕陽。
そんな情景を想像していたら、

黒く、吸い込まれそうな厚い雲。
飛ばされそうな程の強風。
近づくのが怖いほど荒れ、轟くような声をあげている海。

初めて見た二人は、伝聞をもとに話していたものよりも美しいと感じたのか、想像とは違っていたのかはわからないが、

そんなことどうでもいいくらい、天国で仲間はずれにされない友達ができたことは素敵なことだったのではないかと思います。

五臓六腑で完全なる自由を感じる。
一番好きなセリフでした。笑

2022-73


追記

遂に映画館で見ることができました!!
嬉しい、そしてやっぱり悲しい。

90分間ずっと美しい映画でした。
Takahashi

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