カンボジア戦線の攻略を目指す連合軍が、蘇生術を探るための調査団を派遣するのだが、ある若い学者が逸脱行為を始めてしまう。第一次世界大戦を背景にしている、初期ゾンビ映画。
本作のゾンビは、アフリカから持ち込まれたブードゥーではなく、カンボジア地域の土着の秘術として登場(仏教とヒンズー教が混ざってる)。ほとんど催眠術に近いものであり、術師がチャクラを開くことにより、ゾンビを自在に操ることが可能となる。
現地ロケではなくスタジオ撮影だが、異文化圏のエキゾチックなムードに満たされる。宗教の描写がアレなことになっているのはさて置き、謎解きアドベンチャーの要素と「マッド・サイエンティストが出来上がるまで」のビギニング的な展開が単純に面白い。
逸脱行為を始める青年学者は、自尊心の凋落とエゴの肥大化のダブルショックにより、頭でっかちなオレサマ人間へと変容。感情移入が促されるタイプのキャラ付けなので、何ともやるせない気分になる。