部下（里見瑤子）との不倫に耽っている妻帯者の中年男（かわさきひろゆき）が、妻（金井悦子）の性倒錯を煽ってしまう。浮気という名の天然ドラッグを嗜好する男女のセックス模様を描いている、新東宝配給のピンク映画。
別題「ハマッた人妻 絶頂」「浮気で発情 かたいのが好き！」。夫の浮気発覚を発端にした痴話喧嘩を、怒りのぶつけ合いではなく、他愛のない児戯のように描いていく作風。妻が陽気な性格をしているため、"陽気だからこそ怖い"という法則が働いている。
夫の朝勃ちの角度をデータ化して、精液の濃度を調べることにより、浮気した日を割り当てる。そして、夫しか男性遍歴をもっていない妻が、夫の愛人に興味を抱き、女同士の繋がりを築いていく。飄々とした態度で、相手を翻弄していくところが醍醐味。
「浮気という影を背負っている状態だからこそ、より発情することができる」という性倒錯が、カラッとしたコメディの中にしっかりと織り込まれている。濡れ場のカメラワークも職人レベルであり、女優陣の靭やかな腰つきを堪能することができる。
