羽墨リョウ

シリアル・ママの羽墨リョウのレビュー・感想・評価

シリアル・ママ(1994年製作の映画)
4.2
「私を見て。皆さんと同じ普通の女です。」

お母さんが…殺人鬼!!

ビバリーは歯医者の夫と息子、娘を持つ模範的な普通の主婦。ちょっと違うところは…キレると人を惨殺するシリアルキラーに憧れてるのだ!
そしてムカつく奴を見つけると情け容赦なくぶち殺すように!息子を嫌ってる数学教師、娘を袖にして浮気してるクソ野郎、旦那の仕事を小馬鹿にするクソ患者…!!雑な殺しで警察にシリアル・ママとマークされた彼女の行き着く先は!?

ほぼ出落ちみたいなもんだがオカンが割と普通に振る舞いながら家庭生活しつつ殺人するので「あ、マジのやつじゃん!」となる。
日常にムカつくやつを殺す!という一コマが増えただけで警察にマークされても」あら困ったわ」ぐらいだし、目撃されたらその場で包丁持って追いかけ回すぐらいのんびりしている。罪の意識がまったくないぜ!
キャスリーン・ターナーの緊張感の無さと妙な迫力がある笑顔のせいで余計に凄味な出ている。

ちょいちょい人が死ぬ明るいホームドラマである。裁判になっても自分で弁護するわ、家族もイカれてるけど良いママだし…と思ってるし子供に至ってはグッズ売ったりTVプロデューサーとギャラ交渉したりゆるさ全開。
印象操作も話の誘導も上手いのでここも見どころになってる。

殺される連中もまぁカスかな…というぐらいなのであんまり悲惨さはない。気の毒なのは目撃した息子の友達ぐらいか。

なかなか皮肉の効いたオチになってるし満足。
小ぶりだけど良いホラーコメディだった。

「おっ死ね!!!」