青山

シリアル・ママの青山のレビュー・感想・評価

シリアル・ママ(1994年製作の映画)
3.5
ママがシリアルキラーな家族を描いたホームコメディ。

不謹慎な笑い。「実話を基にした」という冒頭のテロップから想像もつかないほど軽々しい作風でした。むしろそこもネタ。
だって実話を基にした映画って「ゾディアック」しかり「チェンジリング」しかり重厚感があって然るべきもののはずですよね。
それがこの映画ときたら、コメディタッチの安っぽいホームドラマに人の命を虫ケラみたいに奪って行くママの悪行の数々をトッピングした、悪ふざけとしか思えない話なんですもん。

ただ、実話云々から感じる倫理的な葛藤を除けばバカ映画としてはいい出来です。というのも、ママもクソだけど殺される人たちもクソ野郎なこともあって、日々ストレスに晒される我々の「ちょっとでもウゼエやつは思っくそブチ殺してやりたい」という強烈な願望を代行してくれているのです。普段は常識の下に隠してあるこうした歪んだ道徳観を満たしてくれる快感にいつしか取り憑かれ、後半ではママのハチャメチャな活躍ぶりを応援したくなってしまいます。だってこのババア隠す気ねえもん!
ラストの裁判のシーンとかも爆笑ですわ。

案外、私みたいな普段真面目な人ほどハマる映画でした。
青山

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