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私の中のあなたのKのレビュー・感想・評価

私の中のあなた(2009年製作の映画)
3.4
白血病の姉。姉のためにデザインされ、姉のために生まれてきたアナ。幼い頃から輸血や骨髄移植を強いられ、片方の腎臓を提供する段階になってそれを拒み、親を相手に裁判を起こす。徐々に迫るリミット。あらすじだけを見るとサスペンス色が濃い。いざ観始めると深い家族愛モノだった。真相に隠された想い。何層にも重なった愛情。ケイトを中心に行き交うさまざまな矢印。それぞれの気持ちに共感させられる。癌が繋いだ縁。テイラーとの接し方・やりとりが印象的。「病気になって良かった」「私も」。死を感動的には演出せず、それに特別な意味を付け加えるでもなく、死は死であり、それは人が居なくなることであるという冷静な姿勢。原作は違う結末だったようで、そちらにも抗えない運命の容赦なさを感じさせられた。生きているという奇跡。
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