白血病の姉ケイト。
その姉を救う為、人工授精で｢造られた｣アナ。
ケイトの為に犠牲になり、ケイトの中で臓器として生き続けるみたいな近未来の話かと思ったら違った。
姉ケイトの為に自己を犠牲にしてきたアナが両親を相手に訴訟を起こす所から話は始まる。
幼い頃から姉の為に過酷な処置を受けてきたアナ。
そんなアナの為に立ち上がり協力する勝率91%の弁護士。
一見病気の姉を見捨てる自己を守る為だけの行為(利己的という意味では無い)に見えたそれはケイトへの愛ゆえの行為だった。
ストーリーはアナだけでなく、ケイト、兄のジェシー、両親、それぞれの視点から描かれるのが良かった。
医師からの人工授精の提案。母の一見行き過ぎたケイトへの愛情。
どれもそれぞれが皆ベストを尽くそうとしただけなのだろう。
病気のケイトも含め、私の身体は私の物。私の運命も私の物。
もっとぶっ飛んだ話かと思いきや、実際にも起こりそうな話だった。
◆2020年 22本目
