Joker

ライフ・オブ・デビッド・ゲイルのJokerのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

監督のメッセージが一方的に押し付けられているように感じて正直観てて不快だった。
死刑反対ならば、賛成側の意見も示しつつ、それでも反対する理由、反対の方が良いという主張を述べるべきだが、この映画では、死刑賛成側の意見が述べられることなく、死刑反対を一方的に主張し、その割に説得力もなくただ不愉快に感じた。

特に映画の設定も都合が良く死刑反対を主張するために物事を、ストーリーを運んでいる感がすごかった。全体的に作り手の視線が見え見えで”意図的”、”わざとらしさ”を感じざるを得なかった。

死刑反対のために自ら死ぬというのも極論すぎて理解しがたい部分があるし、現実味があまりないように感じる。

そもそも冤罪で死刑に自ら計画してなろうとするのと、警察側の故意もしくは失態によって冤罪で死刑にされるのとではかなり大きな違いがあると思う。
自分から冤罪になるように仕向けられても検察や警察からするとたまったものではないし、それで冤罪を立証しても、自分から念入りに計画して冤罪で死刑になろうとして、かつ協力者もいたら冤罪になる確率も当然高くなる。
司法側のミスによる冤罪を証明しそれを糾弾することに意味があるし、それをするべきだが、今回では司法側のミスではなく、ただ自ら冤罪によって死刑になろうと計画を練りに練って行われたもので、結果冤罪によって死刑にはなったが、それによって「冤罪があるから死刑反対!」とは当然ながら全く感じなかったし、自ら冤罪によって死刑になることによって死刑反対を訴えることのメッセージの説得力があまりにも弱すぎた。「自分から冤罪になりにいったらそりゃなるだろ…」というのが素直な感想だった。

日本ではおそらくエンターテインメント性が評価されて評価が高めだが、海外だと酷評が目立つ(Rotten Tomatoes:19% Common Sense Media: 2/5)のは、あからさまなストーリー構成と客観性のない一方的なメッセージが原因だと思う。

死刑反対ならもっと客観的で説得力のある伝え方があったはずだけに正直この映画は何を伝えたいのか分からなかった。
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