カタパルトスープレックス

マッドマックス/サンダードームのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

2.8
ハリウッドに接近して大失敗した「マッドマックス」シリーズの第三作目です。なんか、マッドマックスのハリウッド版パロディ映画っぽい感じ。

前作『マッドマックス2』(1981年)では世紀末モノの世界観を決定づけ、のちの作品に大きな影響を与えました。世界大戦で文明を失った世界。ならず者が力で資源を横取りする世界。魔改造車とモヒカンとライダーズスーツ。それをローアングルの独自の視点で迫力ある映像体験を作り上げる。それが「マッドマックス」の世界です。

ところが、この世界観があろうことか後退してしまうのが本作なんですよ。なんか「スターウォーズ」っぽい。砂漠はタトゥイーンっぽいし、子供の部族もイウォークっぽい。多分、『スターウォーズ/ジェダイの帰還』(1983年)にだいぶ影響を受けてるんじゃないかなあ。でも、それって後退なんですよ。本作の売りはカーアクションだったはずなのですが、それも大幅に減ってしまいました。ストーリーも特に特徴があるわけでもなく、どことなく子供向けに目配せをした感じ。

ティナ・ターナーは当時50歳近くだったはずだけど、随分と若く見える。見所はそれくらいか。